k-takahashi's blog

個人雑記用

想像力の帝国

最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜

最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜

さらに適切な、さらにゲイリーを喜ばせた評価は『シンク』誌が「史上最強のナード五十人」でゲイリーを一位にしたことだった。
ゲイリーはやりとげた。彼はナードの大将なのだ。
(p.272)


冒頭は1985年10月、ゲイリー・ガイギャックスがTSRを追放された直後の描写から始まる。そして、彼の生い立ち、ゲームとの関わり、D&Dが生まれる経緯、ゲームに人生を捧げた男の成功と失敗、などが書かれていく。
もちろん、最大の興味はD&Dの特にビジネス周りのところにあり、その辺も色々書かれている。だが、コンベンションを運営し、ゲームに熱中しすぎて妻に浮気を疑われ、会社を追われ権利を取り上げられてもゲームを作り、遊び続ける姿は、世界のゲーマーへの影響も含めて「ナードの大将」の称号にふさわしい。(色々な意味でしょーもない人物であったのもまた事実だろう。)


彼はビジネス的に大成功して大金持ちになったというわけではないけれど、RPGというジャンルを作ったのみでなく、想像した世界で遊ぶというコンセプトを布教し(タイトルの「想像力の帝国」とはこのことを指す)、RPGを売るというロールモデルを世に示したという点でも重要な人物であったというのが分かる。


彼が資金調達に困るシーンが何度も出てきていて、今ならゲイリーレベルの知名度があればクラウドファンディングで一発だなあ、などとも思った。
原文からそうなのかどうかはわからないが、訳文はいかにもな桂節で苦笑するやら嬉しいやら。いや、合ってますとも。