SF映画で学ぶインタフェースデザイン アイデアと想像力を鍛え上げるための141のレッスン
- 作者: Nathan Shedroff,Christopher Noessel,安藤幸央,赤羽太郎,飯塚重善,飯尾淳
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2014/07/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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大きな制約の一つは、SF映画は学問的検討の場ではなくエンターテインメントであるため、その目的に沿わないものは扱われないということ。一方で斬新すぎるインタフェースは使って貰えないという現実もある。更には、視聴者のリテラシーの変化によってSFに出てくるインタフェースが変わってくるという点も興味深い。
本書は、「機械式コントローラ」「ビジュアルインタフェース」「立体投影」「ジェスチャー」「音」「脳」「拡張現実」「擬人化」「通信」「学び」「医療」「性的行為」の12個の章をたて、最初と最後に解説の章を入れている。
そして、ところどころに「レッスン(教訓)」というコラム的なものを入れて、実際にインタフェースを検討するためのTipsとしている。
わざわざ「擬人化」という章があるのが面白い。人間型や似顔絵タイプだけでなく、ナイトライダー(KITT)やマイクロソフトのイルカも紹介されている。
上手いなと思ったのは、「音」のインタフェースで出てきた「スターウォーズ:エピソード4」。よくネタにされるタイファイターが轟音を立ててミレニアム・ファルコンに迫ってくるシーン。あれを
ミレニアム・ファルコン号のセンサーが宇宙空間のタイ・ファイターを追跡し轟音を響かせていると仮定してみましょう。その音が距離と方向性を持つならば、砲撃手に環境情報として敵の位置を伝えることができます。たとえ、何体もの敵がいる場合や見えない角度に敵がいる場合でも音であれば伝えることができます。そうすると効果音は極めて重要であり、システムにとっても強力な手立てになり得ます。(p.128)
と、音を使ったインタフェースだと説明している。
面白い本なのだが、時々よく分からない文が出てくる。原文が悪いのか、訳が悪いのかは分からないが、首を捻ること多数なので、そこは読む側が補うということで。