arclightgames.jpアークライトのカイジュウシリーズ。今回は「レジェンド」という別シリーズでゴジラをストレートにテーマとしたもの。
デザインは、カワサキファクトリーの川崎晋。
紹介はオフィシャルページを見ていただくとして、3回ほどプレイ。と書くと分かるように、1プレイは短い。最初でも1時間かからず、慣れてくれば30分だと思う。要素を絞り込んでいるのでスピーディーに進む。
ランダムの影響が比較的大きく出るタイプで、特に第1ターンのゴジラ側のダイスで、2マス移動も熱線も出なかった場合はその時点で人類側が有利になる。逆に第1、第2ターンで怪獣側のダイス目が走って怪獣ダイスが5個になってしまった場合、人類側はかなり厳しくなる。
そうでない場合は、勝敗はオキシジェンデストロイヤーが使えたかどうかで決まると思うが、これもやはりランダムな要素が強い。
ただ、ヘビーゲーマー以外の人をターゲットにしていると思えば、要素を絞り込みランダムの影響が大きめに出るデザインは正解だし、直接的な勝敗とは別に、どのくらい住民を避難できたか、街を破壊できたかというのはそれはそれで満足感に繋がるし、巧拙も出るようになっている。
ゲームとしては良いゲームになっていると思う。
同封されているサマリも非常に出来が良く、初めてのプレイヤーでもこれがあればかなり容易にゲームの流れは把握できる。
あとは、巾着は2つ入れておいてくれればな、と思った。
怪獣フレーバーには大きな違和感
但し、フレーバーとしてはかなり違和感も感じている。
まず、知事の大きな役割が「マスコミが被災者を取材できるようにお膳立てする」となっているところ。マスコミ受けを狙ったやらかす政治家というのは怪獣映画ではお約束だが大抵は悪いシーンとして扱われる。怪獣映画で怪獣がマスコミを成敗するシーンもどちらかといえば歓声が上がるシーンなので、マスコミに便宜を図って成功するとポイント、というのは違和感がある。初代ゴジラで、迫るゴジラから逃げられず塔ごと破壊されるシーンはあるが、あれともイメージ違う。
そして芹沢博士がオキシジェンデストロイヤーの使用を決意するのは、女生徒の鎮魂合唱を聞くシーン。それが「マスコミが伝える避難民の様子」を聞いて決意するとなっているのもやはり違和感がある。
ゲーム的な部分とは関係ないとはいえ、怪獣というフレーバーを被せてそれで売る以上はやっぱり引っかかる。