k-takahashi's blog

個人雑記用

軍事研究 2008年5月号

軍事研究 2008年 05月号 [雑誌]

軍事研究 2008年 05月号 [雑誌]

 特集は、日米の戦車開発史。自衛隊の戦車と米軍のM1のことが記事になっている。
自衛隊の方は、「稜線射撃」を極めるための開発が進められたと語られている。74式で油気圧懸架という複雑な方式をとったのも、90式のFCSが当時世界の最先端だったのも、稜線射撃のためだった、というのが、藤井久氏の論である。
 M1の方で興味深かったのが、初期型で105mm砲を選択した理由。記事によれば「失敗続きの新型主力戦車計画を、M1プログラムでは、なにがなんでも早期に実現したかっただけのように思われる」となっている。どうも当初NBC防御システムがとんでもない手抜き仕様(個人別マスクの採用)だったのも初期コストの関係のようだ。


 野木恵一氏による米軍の衛星迎撃作戦の解説記事もある。技術的な部分を幾つか抜き出しておく。

  • 使用されたのはSM-3のブロックI。ハードは無改造(改造の時間もなかったはず)。
  • レイク・エリーのイージスシステムも無改修だったようだ。
  • 標的となった衛星USA193の軌道質量は、1900〜2500kg程度。(打ち上げ情報より) 本体サイズはSUV程度。
  • 衛星と弾道ミサイルとを比較すると、衛星がSUVなら弾頭はバイク程度、衛星の軌道速度は秒速8km、弾頭は秒速3km。


 写真では、巻頭のソマリアの写真の中にあった「きりん保育園」と書かれたバスが印象的だった。日本からの中古車が使われているということなんです。